《めてみみ》ECよりも実店舗

2019/04/22 06:24 更新


 ファッション誌を読む男性は限られる。若い世代の情報収集はスマートフォンが中心。一般的なビジネスマンにとってはファッションよりも政治・経済のニュースや趣味の情報の方が優先されるようだ。それでも、スーツを中心としたビジネススタイルや身だしなみは気になるもの。カジュアル化・多様化が加速したとしても、清潔感と節度あるスタイルは求められる。

 ECで洋服を買うのが当たり前の時代となり、メンズファッション誌の大半がECを強化している。商品を誌面で紹介するだけでなく、ブランドと別注や限定商品を開発し、ECで読者に直接リーチするのに熱心だ。

 ただ、大人の男性がスーツなど高額なビジネスアイテムを購入する際は、まだ百貨店やブランドショップなど実店舗の比率が高いという。こうした分析に基づいてウェブと連動したクロスメディア戦略を進めるのが『アエラスタイルマガジン』(朝日新聞出版)。柱は実店舗への送客サービスで、ビジネスマンのファッション購買時の悩みを解決するのが目的だ。

 ファッション業界がECの拡大に全力を尽くすのは当然だが、それだけでは大人の男性の需要を取り込みきれないのではないか。よりパーソナルなコンサルティング接客や居心地の良い空間作りなど実店舗の強みに磨きをかけるべきだろう。



この記事に関連する記事