《めてみみ》ポイント還元の混乱

2019/04/18 06:24 更新


 経済産業省は、消費増税後の9カ月間実施するキャッシュレス決済時のポイント還元補助制度に参加する加盟店の申請を5月中旬から受け付ける。中小・小規模事業者が対象。条件を満たせば、商業施設やECモールに出店する専門店、EC事業者も申請できる。ファッションビジネス業界にとって無関係ではない。

 仮登録した決済事業者は116社。大手クレジットカード会社、JR5社、イオンなど流通企業、LINEペイ、ペイペイなどのQRコード決済事業者などが名を連ねる。経産省は「幅広く参加してほしい」とし、10月以降も加盟店と決済事業者の申請を受け付ける。参加する事業者は相当な数になりそうだ。

 ポイント還元率は増税分を上回る5%で、FC店は2%。消費者の税負担は減り、加盟店にとっても需要喚起材料にはなる。ただ、軽減税率の対象業種にも制度が適用され、非適用業種もあるから、実質的な税率は約3%から10%までの五つが混在することになる。制度に参加しない店舗も増税後に還元セールなどを実施するだろう。消費者、事業者双方にとって複雑だ。

 経産省は7月下旬に対象店舗の第1弾を公表し、9月から店舗で統一ポスターの掲示を始めるなどして告知に力を入れる方針だが、混乱は避けられそうにない。商業施設も十分な対策をとらなければならない。



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