自転車はファッション業界の救世主になれるのか。今春の紳士スーツの打ち出しでは自転車通勤用の企画が目立つ。青山商事の「ザ・スーツカンパニー」はファッションサイクルウェアブランド「ナリフリ」と協業したスーツを出した。ストレッチ性の高い素材はもちろん、脇下のベンチレーションなどの機能が備わる。
自転車が切り口のファッションは10年以上前にもブームがあった。それまでは競技用の本気ウェアしかなく、街乗り向けのファッション性と機能性を備えたウェアが人気となった。一時期は新たなカテゴリーとして注目され、大手小売店に専用売り場が開設されたりした。
紳士スーツに限らず、様々な業種で自転車の活用が見られる。自動車のカタログでもトランクに自転車を収納できることをアピールするものが多い。さらに家族でキャンプに行くなどアウトドアライフが楽しめるイメージを訴求できる点も大きな魅力だ。
ここ数年のアウトドアブームも追い風となり、バイクパッキングなどの自転車による旅も増えている。JR常磐線の土浦の駅ビルも自転車をテーマにした施設に転換した。近くの霞ヶ浦へのサイクリングを街づくりの核に位置付けている。桜も満開で、自転車シーズン到来。記者も冬の間ほったらかしにしていた愛車のロードバイクで遠出してみよう。