ミモザの日
「ナイキ」のCM動画が話題だ。いくつもの困難を乗り越えてきた女性アスリートをたたえる内容で、2月の米アカデミー賞の中継放送の合間に流れて以来、ツイッターなどで拡散し、ユーチューブの再生回数は800万に届く勢いだ。
好きな競技で腕を磨き、夢に向かって「クレイジー」と言われ続けてきた女性たち。彼女たちをいたわり、さらに勇気づけるナレーションが、プロテニスのセリーナ・ウィリアムズ選手だ。その抑制された声が胸を打つ。本人も映像に登場し、これからも挑戦し続けようという姿勢が伝わってくる。
本日、3月8日は「国際女性デー」。20世紀初頭、アメリカの女性たちが参政権を求めた運動が始まりとされる。参政権さえなかった当時と比べるまでもなく、今は自由と平等が広がっている。しかし、それでも「クレイジー」と言われながら奮闘する女性たちが世界中にいる現実に変わりはない。
イタリアでは3月8日を「ミモザの日」と呼ぶ。日頃の感謝と敬意を込めて、男性から女性にミモザの花を贈る習慣で、日本でも取り入れる動きが出始めた。変化の兆しは至るところにある。多くの女性が働くファッションビジネス業界でも、様々な不条理や息苦しさに臆することなく、笑顔で前を向く女性が増えている。全ての女性たちに、ミモザの花を贈りたい。
