昭和を代表する人物は断トツで田中角栄と聞く。ちなみに2位は吉田茂、3位は昭和天皇という。田中氏は、高等小学校卒業ながら一国の首相まで上り詰めた異色の経歴で知られる。コンピューター付きブルドーザーと言われた手腕や庶民的な語り口などが印象に残る。
平成を代表する人物はかなり評価が割れそうだ。一部の世論調査では、小泉純一郎氏の名前が挙がっているが、田中氏に比べインパクトは弱そう。繊維・ファッション業界を振り返れば、ファーストリテイリングの柳井正社長となるだろうか。周りの記者から、EC企業、大手量販店、セレクトショップ系などの名前も多数挙がったが、最後は柳井氏という結論で一致した。
田中氏は18年が生誕100年ということもあってか、出版などのブームが今も続く。日本全体に閉塞(へいそく)感が強まるなか、高度成長時代へのノスタルジーを彼に投影しているのだろう。隣国との関係がギクシャクするなか、日中国交正常化をはじめとする外交手腕が評価されている面もある。
間もなく平成も終わり、新時代が始まる。数十年後には新元号の時代を象徴する人物の名前が挙がる。繊維業界でも新時代に名を残す人が出てくるのだろうか。ひょっとしたら、人で無くAI(人工知能)付き自動宅配ロボットなどが挙がるのかも知れない。