海外市場に活路を見いだす新進ブランドが増えている。ECの影響で地方の個店など国内の卸し先が縮む半面、一昔前と違い、インスタグラムなどSNSの定着によって簡単に世界とつながれるようになった。これが海外進出を後押ししている。
メンズブランド「メアグラーティア」も昨年初めてパリの合同展に出展。今年1月にはパリで個展を開き、イタリアのセレクトショップへの販売も決まった。デザイナーの関根隆文氏は「海外バイヤーはモノ本位で明確に判断してくれるので学ぶことが多い。手応えを十分感じられたので、これからも海外販路の開拓に力を入れる」という。
マニアックな分野こそ世界と勝負すべきかもしれない。釣りとファッションをコンセプトにした「ニューカレントワークス」も海外への発信を強化するという。元々ルアーフィッシングは米国市場の規模がケタ違いに巨大で、韓国などアジアでも釣りブームに沸いているのもチャンスと見ている。さらにルアーや竿(さお)、リールなど釣り用具でもメイド・イン・ジャパンへの信頼が絶大なのも追い風だ。
ニューカレントワークスのSNSのフォロワーの半分以上を外国人が占めることも、世界からの注目度の高さを感じる。厳しいマニアの世界で評価された日本の品質に加え、ファッションも世界と戦える武器になりうる。