《めてみみ》体験という価値

2019/02/22 06:23 更新


 リアル店舗の価値向上策が広がり始めている。商業施設では、カフェの増設やフードホールのような新たな飲食ゾーンの充実など「食」の強化が進む。イベントスペースの新設も相次ぐ。これまでにない商品の期間限定販売だけでなく、ワークショップやセミナーの開催場所として活用している。

 ECでは味わえない体験を提供する機能であり、実際に来店喚起や来店頻度の向上につながっているようだ。体験の提供で言えば、ネイル、ビューティーサロン、ストレッチ専門店、簡易フィットネス、学習塾といったサービス業種も、集積度は違っても増えてくるのかもしれない。

 ファッション関連では、カスタマイズ対応がリアル店舗の付加価値サービスとして広がっている。パーツカスタマイズに取り組むバッグブランドは多い。最近、オープンしたラグジュアリーブランドの新店や改装店も、カスタマイズ対応を常設サービスにしていたし、工房を内包している雑貨店やカジュアル専門店の旗艦大型店もある。

 「ワッペン付けなど簡易なカスタマイズではなく、もっといじりたいというニーズが強い」と、ある工房の担当者が話していた。時間がかかっても、自分だけのお気に入りの一品に仕上げたいということらしい。担当者と話し合いながら作り上げていくことも、体験の提供になるのだろう。



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