先の連休、大寒波が到来した北海道。ちょうど訪れていたのだが、零下10度、20度と聞いても、関西人の記者を含め、暖地に住む者にはピンと来ない。ただ、地元の人が「これは本当に寒い」と言うのだから、やはり記録的な寒波なのだろう。
地元のテレビは道内各地の声を伝え、特にさっぽろ雪祭りでのインタビューが多かった。今年は春節(旧正月)と重なったとあって、中華圏からの観光客で大にぎわい。昨年より19万人多い273万人、過去最高の人出だった。華北の人には慣れた寒さかも知れないが、華南や台湾の人は大変だったろう。
日本一寒い町を売り物にする陸別の気温も、連日報道されていた。そのせいか、〝無暖房生活〟の秋庭智也氏を思い出した。趣味である冬山登山の訓練の一環として始めたという。縁あって肌着メーカーのアズと取り組み、防寒肌着のアドバイザーとしても活躍している。陸別の寒さのなか、例年以上に防寒肌着が活躍したことだろうと想像する。
日本より寒い国は多々ある。ただ、防寒肌着一つをとっても、ラインナップの豊富さはもちろん、マーケティングや商品改良への工夫、糸や編み方、加工などの開発に、これほどこだわっている国が他にあるだろうか。震える中国の方々に同情しながらも、まだまだ日本の肌着を海外に売り込む可能性を感じた。