《めてみみ》黄色いベスト運動

2019/02/01 06:25 更新


 19~20年秋冬パリ・メンズコレクション期間中、来場者たちを悩ませたのは、フランスのマクロン政権に対するデモ「黄色いベスト運動」の影響だ。黄色いベスト運動当日のコレクションのスケジュールは、大幅な変更を余儀なくされ、有力なブランドは前日に開催をずらした。

 デモが予定されたエリアである凱旋門からコンコルド広場、アンバリッド周辺にかけては完全に封鎖され、関連する地下鉄の駅には停車もしない。朝9時からの「サカイ」のショーは該当エリアにあるグランパレで行われ、その会場に向かう観客の多くは警官隊の質問を受けて、封鎖されているエリアから徒歩で向かった。いつもは渋滞にさいなまれるコンコルド広場周辺には人影もなく、朝の凛(りん)とした空気に静まり返っている。そんな異質な空間もまた楽しい。

 人民の意思を表明する行為は尊重されるべきだと思っている。ましてやこちらは、官僚機構が破格の値段で国有地を売却しても、誰の責任も問われない国に住む者である。フランス人たちの政権への大胆な意思表明には、敬意すら覚える。

 マクロン政権は実際のところ、どこに着地点を持っていくことになるのであろうか。2月のレディスのパリ・コレクションまで黄色いベスト運動が継続するとすれば、コレクション関係者は頭を抱えることになる。



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