《めてみみ》“香害”をチャンスに

2019/01/31 06:24 更新


 外国で満員電車に乗ると周りの人の体臭や強い香水に困ることがあるが、日本ではあまり気にならない。しかし、日本でも匂い、香りに対する反応や関心は高まり、企業は様々な新商品やサービスでチャンスをものにしている。例えば、洗濯柔軟剤だ。香りの競合が激しく、その持続性で差別化する傾向が強い。テレビコマーシャルも頻繁に流れる。

 消臭に対するニーズも強い。ゴールドウインは2月から消臭機能ウェア「MXP」の新商品であるドレスシャツを販売する。このMXPは4年前にリブランディングし、シーズンごとに2ケタの伸びを続けているという。

 繊研新聞が昨年、アンケート調査で「夏に向けて欲しい服の機能は?」と聞いたところ、「消臭・抗菌・防臭」と「吸汗・速乾」の二つが同率で1位だった。

 原料からの差別化を進める伊藤忠商事は、繊維原料課とロイネが共同で制菌消臭加工インナーを開発。初年度から400万枚のヒットになっている。別の商社でも19年春夏展で、高い消臭効果を短時間で実現する機能素材を使った製品OEM(相手先ブランドによる生産)が人気だった。

 〝スメルハラスメント〟や〝香害〟なども話題になり、日本でも〝匂い〟や〝香り〟とどう向き合うかが問われ始めた。アイデアと技術次第でビジネスチャンスはさらに広がりそうだ。



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