海外で生活していると自動販売機が少なくて不便を感じる場面が多い。上海でも少ないが、地下鉄の券売機はここ数年で増え、窓口販売は1駅に1カ所程度までに減った。人件費の上昇が理由で、券売機に切り替わった。
最近でこそ少なくなったが、券売機が登場した当初は、窓口に長い列ができた。券売機で切符を購入していると、操作方法を知ろうと、横から知らない人にのぞき込まれることがしばしばあった。欧州でも自動販売機が少ないのは、治安面の理由という話を聞いたことがある。
昨年の夏ごろから、上海では地下鉄駅構内にぬいぐるみなどをつかみ取るゲーム機が設置され始めた。飲料水や菓子などの販売機の設置も続いた。カプセル玩具を置く駅もあり、子供が機械の前で親を困らせている場面に遭遇することも。
こうした自動販売機やゲーム機器の設置を後押ししているのが、キャッシュレスだ。最初は意外な気もしたが、設置する側としては資金回収のリスクが少なくて済むので安心なのだろう。機械を見ると現金も使えるようになっている。しかし、機械の目立つ場所には支付宝(アリペイ)や微信支付(ウィチャットペイ)のマークが掲示され、使い方の説明がある。オンラインとオフラインの融合ばかりを気にしていたが、意外な分野での利用も拡大している。