ドルチェ&ガッバーナが21日に上海で予定していたファッションショーが、開始数時間前に中止に追い込まれた。発端はショーを宣伝するために投稿した動画について「中国文化を侮辱している」などの批判がネット上で広がり、さらにデザイナーのステファノ・ガッバーナのSNS上での中国に対する不適切な表現が拡散したためだ。
翌日の中国外交部の定例会見でイタリア人記者が今回の事態について質問したところ、報道官は「中国政府としては今回の事態を外交問題にするつもりはない」とした上で、「外交部の報道官に聞くよりも、中国の普通の人々に話を聞いてはどうか」と答えた。
現状、店舗は通常営業をしているが、天猫や京東などネットショップで検索できない状況は続いている。謝罪動画の書き込みを見ると、謝罪は認めるが商品は買わないという内容が多い。ネット販売がいつから復活するのかは不明だが、ここ数日はネット上でこの話題は出ず、別のニュースに関心が移った模様。今回の事件でブランドイメージは大きく毀損(きそん)したが、数カ月から半年後には元に戻っていくというのが現地の見方だ。
ただし、直近に控えた1月のミラノ・メンズコレクションがどうなるのかは見えてこない。ショーを開催したとしても、来場者の足並みが揃うのか。事態の収束はまだ遠い。