「食い気味」という表現がある。相手の話がまだ続いているのに、途中で自分の話をかぶせてくる時に使う言い回しだ。お笑い芸人が言い出した言葉のようだが、日常生活でも起こることなので、最近は一般の人たちもこの表現をよく使うようだ。
店で買い物をしている時にも食い気味な接客に困惑することはある。試着した服を買うかどうか、まず考えたいのに、販売員さんがせっかちに決断を促すような言葉を盛んに投げてくると、こちらは閉口する。
一方、ネットでの買い物はその限りではない。あるサイトでスニーカーを買ったが、届いた商品のサイズが小さく、メールで交換したい旨を伝えた。10分も経たずに返事が来て、交換の手順を簡潔な文章で教えてくれた。
指示通りに返品の手続きを済ませ、メールを送ると、1時間後に返品した商品が配送されたことを確認次第、交換商品を送るとの連絡が入った。その翌日には配送済みの連絡が再度入り、返品から2日後には交換商品が手元に届いた。
最後に届いたメールには、「在庫がすぐに確保できたので」と手続きに時間がかからなかった理由が書かれていた。リアルの接客では販売員が食い気味に売らんかな、の気持ちを客にかぶせてくるのはごめんこうむりたいが、ネットだと律儀に買い物の進捗(しんちょく)を逐次伝えてくれるのがありがたい。