三井不動産は19年秋に東京・日本橋に開業する新商業施設「コレド室町テラス」の核テナントに台湾企業、誠品生活の日本1号店を導入する。書籍・雑貨を中心としたライフスタイル提案型の店舗だ。誠品生活との合弁で日本でのライセンス保有会社を設立し、書店チェーンの有隣堂がライセンシーとして店舗を運営する。従来の不動産ディベロッパーの枠組みを超えた新しいビジネス形態になる。
誠品生活は台湾、香港、中国本土に46店を構える有力企業で、日本の業界関係者の注目度も高い。三井不動産は「商業施設に求められるサードプレイス機能を高める上で、得がたい企業」とし、4年前から出店交渉していた。
単なるテナント誘致ではなく、合弁会社まで作るのは「しっかりした協力体制を組むため」とする。同社は明言しなかったが、競合激化のなかで、国内での独占的な店舗運営を可能にし、他社施設との差別化につなげる狙いもあると見られる。
商業施設が飽和状態となり、新しいテナントの発掘がますます難しくなっている。こうしたなか、イオンモールは中国と東南アジアの施設で取引がある中国の大手ファストファッションブランドや飲食店などを今年に入り、国内に相次いで導入している。商業施設は従来型のリーシング手法だけで競争優位性が発揮できなくなった。