《めてみみ》服を売る仕掛け

2018/10/11 06:24 更新


 三井不動産商業マネジメントが運営する大型SC、ららぽーととラゾーナ川崎プラザは14日まで、安室奈美恵さんなど90年代に流行した楽曲をBGMにしている。40代以上の親には懐かしく、その子供には新しい。BGMを話題に会話を楽しむ母親と娘も見られる。

 9月中旬に開始した90年代ファッションを打ち出す大型販促の一環。17ブランドが90年代をイメージした限定商品や先行販売商品を出し、飲食店ではティラミスやナタデココなどブームを起こしたスイーツフェアを実施中だ。一部施設ではファッションショーと連動し、90年代を代表するアーティストのイベントも開いている。ららぽーと名古屋みなとアクルスでは14日にhitomiさんのライブを行う。

 「服が売れないとされるなかで、トレンドの90年代を打ち出し、中心客層の母娘客の需要を喚起する」(西島悦子運営第一本部運営室長)目的で企画した。服や雑貨だけでなく、食や音楽の仕掛けとも連動して消費者の〝五感〟に訴え、購買意欲を刺激する。

 猛暑の効果で7~8月の盛夏物需要は活発だったとはいえ、衣料品売り上げの低迷が続く。そのなかで、テナントと連携し、中心客層の嗜好(しこう)に合わせた仕掛けを積極化したSCは健闘している。「服は売れない」と諦めず、工夫を凝らした仕掛けを続けることが重要だ。



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