16年度は全体としてやや厳しかったSCの売上高が施設によって違いはあるとはいえ、回復している。イオンモールは18年2月期の国内既存施設の専門店売上高が16年度の1.1%減から2.2%増に転じた。他のSCも順調で、都市型、郊外型ともに、過去最高売上高を達成した施設が増えた。
多くが強化した食やコスメ、生活雑貨などが16年度に続き伸び、16年度は苦戦した衣料品も回復したためだ。イオンモールの前期の既存施設の衣料品売上高は1%減だったが、16年度の4.3%減から改善した。衣料品の伸びによって過去最高売上高につなげた施設も多い。
気温が例年よりも低かった昨冬にアウターが活発に売れたのが、衣料品の回復の大きな要因だ。低気温が続いた今年2月は春物衣料が全般に苦戦し、暖かくなった3月下旬から初夏物を含めて衣料品の売り上げが再び上昇した。衣料品の売れ行きが気温に左右される傾向は強くなった。衣料消費が本当に回復したのかはまだ判断し難い。
とはいえ、衣料品が好調なSCの多くはテナントと連携した販促のほか、館や店舗の中心客層に合わせた品揃え・接客を強化するなどして成果を上げている。気温変化に機敏に対応しながら、ディべロッパーとテナントが一体となって需要を掘り起こす施策がますます重要になってきた。