「インテリア担当バイヤーからの要望が多いんですよね」と、立ち上げて約4年の婦人服メーカーの社長。百貨店で最初に期間限定で販売したのは、リビングフロアだった。その後、百貨店にコーナーやショップを展開しているが、いずれもリビングフロア。卸し先も、著名なライフスタイル雑貨専門店が多い。
ブランド紹介を読むと、「ライフスタイルを演出する道具としての服」とある。ナチュラルテイストのその服は、ファッション専門の売り場よりもリビングフロアが合うのだろうか。売り上げは好調だ。リビング担当などの売り手側も、需要があるから暮らしに欠かせない服を求めているのだろう。
1年前、あるスローライフを紹介する百貨店のイベントで最も売れたのが衣服だったと聞いた。ライフスタイルを入り口にした結果、関連するファッションが支持されたとの見方だ。ファッションの買う場、買い方、買う理由は様々に広がりを見せている。
流行だけがファッションではない。肌着などのベーシックアイテム、ヨガやランニングなどのスポーツウェアの機能性やデザイン性を高めることもファッションの範疇(はんちゅう)。飲食店などサービス業のワークウェアやユニフォームも同様だろう。仕事着、室内着など、日々の暮らしを豊かにする服を追求することもファッションの役割だ。