《めてみみ》リニューアル

2017/10/25 04:00 更新


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 SCのリニューアルで、改装する既存店の数が新店を上回るケースが最近増えている。特に、ファッション中心の施設でこの傾向が強い。

 ECの浸透や衣料消費の低迷、SC増加による競争激化などで、ファッション専門店が新店を出しにくくなったのが背景。人手不足が深刻化し、新店の人員確保が難しいのも大きな要因だ。

 SCにとって、一定規模のリニューアルは集客と売り上げを伸ばすための重要な施策。顧客の需要を拡大し、新規客も取り込むため、新店を積極的に導入して「新しさ」を出すことを多くのSCが重視してきた。環境変化がそれを難しくしている。

 大手ファッション専門店の大半はSCへの出店にメリハリをつけ、有力既存店の改装に力を入れている。「新店を入れるよりも、顧客を確保し、販売実績を上げている店をブラッシュアップする方が売り上げが確実に見込める」とするSCも多い。

 重要なのは既存店をどうブラッシュアップするか。あるカジュアルブランドは子育てファミリーが多いSCの店舗を全面改装、ディベロッパーと話し合って子供向け商品を売り場の奥から正面中央に移し、売り上げをさらに伸ばした。新店を導入するにせよ、既存を改装するにせよ、テナントとディベロッパーが連携し、顧客ニーズや施設特性に合わせた施策を打つことが欠かせない。



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