先週から中国でインターネットが使いにくくなった。グーグルは、もともとつながらないので、多くの日本人はヤフーを使っている。そのヤフーの検索機能が使えなくなっているのだ。6月1日に施行されたインターネット安全法には、ネット運営者に利用者の個人情報の登録義務や中国で収集した重要データの中国国内での保存の義務、社会安全の突発事件の時にはネットの遮断可能などが盛り込まれている。
中国で活動する外国企業が収集したデータを中国内のサーバーに保存することも規定しているため、日本商工会議所をはじめ日米欧の54団体が「経済活動に著しい影響が出る恐れがある」として、配慮を求める意見書を提出した。規制は様々な分野で厳しくなっている。
環境規制もその一つ。今年に入り政府の環境監査チームが全国を回り、厳しく取り締まっている。様々な製造業が指導を受けているが、繊維産業では工場の振り替えによる納期遅れなどの影響が出ている。
党大会を前にしているからか。第13次5カ年計画で掲げる経済構造の不断のレベルアップによる経済成長の質を重視する姿勢の表れなのか。いずれにしても中国が過渡期にあることは間違いない。これをリスクととらえるのか、チャンスととらえるのかによって対応は大きく変わってくる。