トイザラスを初めて見たのは約30年前。広大な売り場に、積み上げられた圧倒的な量の玩具。分かりやすい価格表示はどこよりも安いことを誇っているのだろう。家族が大きなカートにたくさんの商品を載せて楽しそうに買い物する光景が印象に残っている。
先週、米トイザラスの連邦破産法適用申請のニュースが全世界を駆け巡った。業績悪化の要因に挙がっているのがネット販売企業との競争。玩具業界の巨人も、ネット社会に乗り遅れれば立ち行かなくなるということなのだろう。
中国電子商研究センターによると、17年1~6月の中国のネット販売小売市場は前年同期に比べ35%拡大し、3.1兆元(52.2兆円)に達した。実店舗の低迷に対し、ネット販売の好調が際立つ。それを象徴するのが毎年11月11日の「独身の日」。ネット販売は膨大な売り上げを記録し、毎年記録は伸び続けている。最大手のアリババ集団は、昨年のこの日、1日で前年の32%増の1200億元を売り上げた。
昨年以上に盛り上がりが予想される独身の日に向けて、中国の衣料品や服飾雑貨などのメーカーは製造に追われている。そのあおりで日本向けの来春物への影響が懸念され始めた。中国のメーカーはこの日に合わせて膨大な商品を納入するため、対日生産が遅れ気味になるのではないかという心配だ。