《めてみみ》ルート選択

2017/09/19 04:00 更新


 備え付けの純正カーナビはとにかく広い道を案内してくれる。遠回りになっても国道を通りたがる。一方、今使っているネット検索サイトのナビはとにかく時間優先。できるだけ渋滞と信号を避けようとしているのか、地元住民しか知らないような狭い抜け道を案内してくれる。

 到着地点は同じでも経路は随分違う。純正ナビが指示するルートは安全だが時間がかかる。検索サイトのナビは速い道を教えてくれるが不安もある。どのルートを採用するかは、コンディションとどれくらい急いでいるかにかかっている。

 アパレル製品の調達方法が多様化している。かつての中国集中から、東南アジアや南アジアに生産地は広がり、一方では中国回帰の動きも加速している。その中国での製品調達も、生産型だけでなく市場での仕入れが急速に広がっているという。

 国内のアパレル市場は、「ドンピシャの商品をドンピシャのタイミングで提供しなければ売れない」というほどに、売れ筋は細く、奥行きの浅い厳しい商況が続いている。小さなチャンスを積み上げ、ロスをとことん排除して、アパレル企業は事業を維持してきた。納期遅れや品質トラブルが起きればそうした努力は吹き飛んでしまう。どこと組んでどう調達するか。様々な手段と経路がある中で、ルート選択が安定供給のカギを握っている。



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