《めてみみ》店の匂いを信じて

2017/09/08 04:00 更新


 秋冬商戦の本格化を前に、都内では相次いで新店がオープンしている。買い物だけではなく、その空間を通じて人々に刺激を与える店「トレーディングミュージアム・コムデギャルソン」が国内2店目をオープンしたほか、「クロエ」や「イッセイミヤケ」など国内外のデザイナーブランドが新店を開いた。

 ユナイテッドアローズは原宿本店25周年を機に、メンズ館とウィメンズ館を統合して、開店時と同じ一つの店にリニューアルした。多店舗展開とオリジナル強化で変わっていった創業時の〝濃いセレクション〟を改めて強調することで、ショップのアイデンティティーをアピールできるかがポイントとなる。

 ショッピングをエンターテインメントにする街と言われるのがニューヨーク。客がショッピングを楽しめるような工夫にあふれる店も多い。しかし、そんなニューヨークもECビジネスに押され、今年に入って実店舗の閉店が相次いでいる。6日からスタートした18年春夏ニューヨーク・コレクションに集まったバイヤーやジャーナリストに、ニューヨークの活気がどう映るのか気にかかる。

 実店舗には、まだECのショッピングにはない魅力があるはず。品揃えと空間の持つドキドキ感、店の匂い、服のテクスチャーに触れる高揚感、人の放つ熱。そんな店の持つ力を信じたい。



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