《めてみみ》服屋と組みたい

2017/08/08 04:00 更新


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 車の「ジープ」がセレクトショップの「ジャーナルスタンダード」と協業する話題を取材した。ジープを傘下に持つFCAジャパンの担当者が、なぜ服屋とコラボレーションすることが大事と考えたのか話してくれた。

 ジープは親会社がイタリアの自動車メーカーになった何年か前から、過酷な条件で使える車としてよりも、SUVつまり街乗りを前提とした多目的スポーツ車としてのイメージを高めようとしてきた。

 アウトドアシーンで映える車としての認知を作ろうと野外フェスに協賛するなどの販促を重ねた結果、高級SUVの一角としてこの10年販売台数を日本で伸ばしてきた。だが、そもそも日本では海外メーカーの車のシェアは10%以下と、国産がとても強い。

 加えて日本では新車販売台数が年々縮小傾向にある。車を必要としないライフスタイルが広がっているためで、外車需要もこのままだと細っていく。そこでジープが目を付けたのがファッションと組むことだったそうだ。

 アメカジを軸にした服を売るセレクトとジープには、アメリカ由来のモノを愛好するという点で客層が重なっており、互いに潜在顧客を掘り起こせると考えたわけだ。趣味性や嗜好(しこう)性の強いブランドや商品の需要を、成熟市場で大きく伸ばすのは簡単ではない。服屋と組みたい異業種の数はもっと増えるかもしれない。



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