《めてみみ》鍵は人材

2017/05/11 04:00 更新


 帝人グループがタイで帝人ブランドのアピールを強めている。ポリエステル繊維を製造販売するテイジン・ポリエステル・タイランド(TPL)は初となる企業広告を5月から開始。タイの人気サッカー選手を起用し、テレビなどで打ち出す。

 4月からタイの一貫教育機関の小学部と共同で使用済みペットボトルのリサイクル活動を始めた。「子供たちに楽しみながらリサイクルに参加してもらい、環境配慮の意義を深く認識するための教育を進める」という。

 帝人は今春、ポリエステル繊維事業を再編した。繊維・製品事業グループにTPLを含む繊維製造会社のほか、松山と南通の研究開発部門が加わり、独自性のある商材の開発で差別化を狙う。研究開発をさらに高めようとタイに開発施設作りを検討。優秀な人材確保のため、タイの大学との連携を視野に入れる。それに欠かせないのがグループ認知度の向上というわけだ。タイ政府も新たな投資奨励法で優秀な人材を育てる企業を後押しする。

 アジアで作り、アジアで販売する流れが強まるほど、開発や営業に優れた人材の確保と育成が鍵になる。帝人繊維事業の中核である帝人フロンティアは日本でも、大学と連携して研究開発の専門人材を採用し、開発力を高めてきた。日本で培った人材確保や育成ノウハウが国外でも生きる。



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