若者が車に執着しなくなったと言われる。が、都会ではそうでも、地方ではまだ車がないと生活できない。記者の実家は茨城県の北部で、最寄り駅から歩けば1時間以上はかかる。スーパーなど食料や日用品を買う場も歩ける距離にない。今年、大学生になったおいっ子は当たり前のように自動車の免許を取得した。
地方都市の場合、JRの駅前と中心市街地が離れている場合がある。地元住民は徒歩で10~15分ほどの距離でも車で移動し、歩くことはほとんどないという。夜の繁華街で運転代行車が活躍するのも地方ならではの光景だ.
先日取材した茨城県つくば市には元々昔ながらの商店街もなく、駅前の大型商業施設が撤退するなど、中心部の集客力が弱まっている。逆に、車社会なのでファッションを扱う個店でも数台分の駐車場を完備する郊外立地で成り立つ。車なら1時間ぐらいのドライブは気にならないらしく、栃木や埼玉、千葉など近県からの広域集客もあるという。
もちろん、わざわざ来店したくなる魅力がなければならない。健闘している個店はオーナーの個性が色濃く出た品揃えと空間作りを徹底している。何よりも人との出会いを大切にしたオーナーの接客によって常連客になっていく。この連休中、地方に足を延ばしてはいかがだろう。ECでは味わえない体験が待っている。