有力専門店の23~24年秋冬のメンズドレスのスタイリングは、過去にないほど、カジュアルシーンを意識したコーディネート提案が増えそうだ。ベースにあるのは英国のカントリースタイルだが、ジャケットの上に鮮やかな色のキルティングベストやアメリカンなダウンベストを羽織るなど、70年代のヘビーデューティーブームをほうふつとさせるノータイのレイヤードスタイルが目立つ。ラペルの太いツイードジャケットに台襟の高いシャツと極太タイをあえて合わせる重厚なタイドアップスタイルなど、オフタイムでの着用を想定したドレスダウンの着こなしも出ている。足元はビーフロールの入ったカジュアル顔のローファーや、スエードのチャッカブーツやジョドパーブーツなどで遊び心を演出するショップが多い。
(柏木均之)
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各ショップの品揃えの主力は、タイドアップで着こなすスーツやジャケットスタイルである点は変わらない。ただ、オンタイムでのスーツ需要は先細り傾向にある。このため、メンズウェア展「ピッティ・イマージネ・ウォモ」の会場周辺でも多く見られる、ドレスアイテムのカジュアルな着こなしを提案することで、新規需要を取り込もうとしている。(価格は全て税込み)