好天に恵まれた「ピッティ・ウオモ」と、雨、雪そして氷点下にまで達した「パリ・メンズファッションウィーク」、明暗ならぬ寒暖分かれた二つの都市でスナップを敢行した。
(ライター・益井祐)
連日の晴天だけでなく気温もそれほど寒くなかったフィレンツェ、会場にはピッティ男たちが集まった。以前は初日と2日目がピークだったが、今シーズンは3日目も混み合っていた。またスーツの印象が薄くなり、〝カジュアル〟な装いが増えた。と言っても、カジュアルウェアを着ているが、結構しっかりとコーディネートされていた。
中でも多かったのが〝アメカジ〟で、スタジアムジャンパーやワークジャケットに、チノやカーキ、カーゴパンツが主流。テーラードジャケットだと厚手のウールのものを合わせていた。アクセとしてはニットキャップが主流だったが、カウボーイハットのような大きめのハットが気になった。
足下だとダッド系/ランニング系のスニーカーがまだ人気がありそう。一回そっちに行ってしまうと履き心地や歩きやすさから帰って来られないのだろう。また最近息を潜めていた(石田)純一系ファッション。さすがの寒さにあまり素足に革靴を見かけなかったが、まさかのコートの上にセーターをプロデューサー巻きしているつわものがいた。
人気のレパード
フィレンツェとパリ両都市でよく見かけたのがアニマルたちだ!
コートやジャケットからパンツまでレパードが人気。またKセレブの着用で大人気の「チャールズ・ジェフリー・ラバーボーイ」をはじめ耳付き帽もまだまだいる。デザイナー本人は他のアイテムも売りたいとボヤいていたが…。
パリは地獄のスナップだった。会期中大寒波で極寒。さらに2日目は1日中雨。フォトグラファーたちは本当につらそうだった。
トップトレンドはもやは防寒だった。そこはパリ・コレのおしゃれ上級者だけあり、レイヤーリングで対応。コートとジャケットだけでなく、風を通さなそうなPVC(ポリ塩化ビニル)にスポーツウェアを重ねたサウナ状態じゃないかなスタイリングも。また超厚手のフェルトパンツや巨大なファーハットのような局部防寒男もいた。
防寒アイテムの中で多かったのがムートンのジャケット。その仲間というわけではないがフライトジャケットを多く見かけた。レザーのアウターも人気があるので、その間の子的な感じもあるのかもしれない。フライト関係だとMA-1愛が再加熱している。パンツにブーツ、引き続きワークウェアを多く見かけた。
ポストY2Kスタイル
そして、ポストY2Kとして忍び寄るノームコアの影なのか、以前よりミニマムなスタイリングが増えたようにも思える。富裕層な方々の場合は〝クワイエットラグジュアリー〟と呼んだ方がいいのかもしれないが。
ちなみにだが、双子やおそろ系インフルエンサーがメンズに結構いる。シンクロにちょっと飽きた気がするのは自分だけだろうか。ある双子インフルエンサーは系統は一緒でも違うルックで新鮮だった。片方だけ彼女を連れていたのにも。