JRFが商業施設事業で積極策 都市型資産を取得

2017/08/24 04:29 更新


辻徹MCUBS社長

 三菱商事・ユービーエス・リアルティ(MCUBS)グループで商業施設特化型リート(不動産投資信託)として国内最大規模の日本リテールファンド投資法人(JRF)は、既存施設のリニューアルを進めるとともに、「Gビル」など都心部で小規模スタイルの商業施設を拡大する。リニューアルは既に、おやまゆうえんハーヴェストウォーク(栃木県小山市)やモゾワンダーシティ(名古屋)、ならファミリー(奈良市)などで実施して効果を出している。今後、川崎ルフロン(川崎市)などで施設運営(PM)会社と連携しながら改装に取り組み、消費の変化に対応した商業施設を目指す。(小川敬)

 MCUBSは資産運用会社として00年11月に設立された。グループはJRFと産業ファンド投資法人(産業用不動産特化型)、MCUBSミッドシティ投資法人(オフィス主体)で構成し、グループ全体で20都道府県に175物件(保有資産約1兆4000億円、Jリート全体の8.5%)を保有している。

 このうちJRFは不動産会社以外の企業がスポンサーとなる初の投資法人で02年3月に上場した。資産規模はJリートの中で4位の約8400億円、商業特化型では国内最大規模。

 辻徹MCUBS社長は、「生活に密着した身近なSCやスーパーマーケットなどの商業施設に特化していることに強みがある。さまざまな地域・規模の商業施設から生み出される賃料、高い稼働率、規模的なメリットなど安定性があること、さらにはテナント入れ替えによる活性化と収益性、リニューアルによる施設競争力強化と収益性の向上など、資産規模成長への取り組みに強さと優位性がある」と話す。

 不動産運用する商業施設は全国に95施設(6月末)あり、都市エリア47%、郊外エリア53%の構成。都市部では主要駅近接の好立地(川崎ルフロン、マリンアンドウォークヨコハマ、DFS・Tギャラリア沖縄など)と好立地の路面店及び専門店ビル(ジャイル、Gビル表参道02、Gビル銀座中央通り01、ラ・ポルト青山、アーバンテラス神宮前、キュートキューブハラジュクなど)。


リニューアルで効果を上げるモゾワンダーシティ

 郊外エリアの地域1番店級(ならファミリー、イオンモールむさし村山、イオンモール神戸北、モゾワンダーシティ、東戸塚オーロラシティなど)、人口密集地での近隣型(なるぱーく、エム‐シティ豊中など)を運用する。

 最近では商業1等地で都市型資産を継続的に取得し、運用ノウハウを蓄積している。東京の表参道や原宿、青山エリアや銀座、大阪・心斎橋、京都・河原町ではメインストリートに面する希少性の高い資産を取得しているのが特徴だ。

 この中ではファッションやジュエリー、服飾雑貨などのラグジュアリーブランドやセレクトショップ、高級レストランなどがテナントの小規模施設も積極的に拡大している。施設運営は施設単位でPM(不動産の運用・管理)会社と契約している。

 新規物件の拡大と並行して既存施設のリニューアルを、おやまゆうえんハーヴェストウォークやモゾワンダーシティ、ならファミリーなどで実施。川崎ルフロンは核店舗の丸井が来年1月に閉店するのを受けて、19年春のオープンを目指して大型のリニューアルに乗り出す。全体の構成を見直しながら時間消費型の店作りを行う考えだ。




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