日本育ちのアルパカで産地内協業

2015/07/15 08:16 更新


 丸正ニットファクトリー(新潟県見附市、佐野統康社長)は10月から、同県長岡市山古志の牧場で飼育しているアルパカの毛を原料にしたニット製品を発売する。

 アルパカの原毛を供給する山古志と、見附の地場産業が協業する地域ブランドの位置付けで、メード・イン・ジャパンと〝見附ニット〟の活性化も狙う。東京・表参道で開いた展示会でも好評で、セレクトショップ数社が手を挙げているという。

 牧場「山古志アルパカ村」は、04年の中越大震災で被災した旧山古志村の復興に、アルパカ牧場を作って観光地化したらと米コロラド州にある牧場が、アルパカを寄贈して設立された。

 佐野社長が13年に同牧場を訪れ、刈られた毛が袋に入ったまま放置されているのを見て「何かに使えるのでは」と思い、「アルパカを見てもらうだけでなく、面白いことができないか」考えていた青木勝山古志アルパカ村社長と、ニット開発で意見が一致したという。

 ただ、高温多湿な日本で育ったアルパカは毛と毛の間が広くなって、そのままでは使用しづらいことから、アクリルやナイロンとブレンドして国内紡績が糸にした。飼育頭数も限られていて、年間総量250㌔にしかならないので、セーターも作るが帽子など服飾雑貨を手掛け、製造点数を多くする計画だ。

展示会場の入り口でアルパカがお出迎え
展示会場の入り口でアルパカがお出迎え

 産地ブランドとして、アルパカのふんを、たい肥にして育てたコメや野菜の販売なども検討している。先の展示会では、牧場からアルパカ3頭を連れてきて会場前でお披露目。見慣れぬ〝珍獣〟の登場で、歩行者が足を止めて撮影したり、餌をやったりと列を作っていた。



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