LVMH、仏大衆2紙買収へ独占交渉

2015/06/01 06:46 更新


 【パリ=松井孝予通信員】仏LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトングループは、アモリ家が所有する首都圏版大衆日刊紙「ル・パリジャン」と全仏版大衆日刊紙の買収に向け、独占交渉に入ったことを明らかにした。買収金額は5000万ユーロを越えると予想される。

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 同グループはすでに経済日刊紙「レ・ゼコー」を所有しており、この買収が決定すれば、プレス界で3億4000万ユーロの合併となる。経済情報と一般情報の日刊紙同士の結合は、減収が続く広告面と読者減を回復するデジタル化において大きな相乗効果が得られる一方、LVMHが将来、メディア界で大グループを形成する可能性もうかがえる。

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 仏プレス界は、広告収入と発行部数が減少して弱体化、継続のためには媒体同士の補強が必要不可欠で、この数年間で大資本家の買収による再編が進んでいる。経営難に陥った「レ・ゼコー」は07年のLVMHによる買収後、再建に成功したものの、経済日刊紙という性格上プレス界で孤立的な立場にあり、今後の発展に向け全く競合のない「ル・パリジャン」の買収を視野に入れていたとみられる。



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