ダークな要素も利かせて
英リバティ・アート・ファブリックスの17~18年秋冬コレクションは、食べ物が主役。果物や野菜をシュールレアリスムの視点でとらえたり、ダークなユーモアいっぱいに描いたりしている。
「ガーデン・オブ・テンプテーション」(誘惑の園)をテーマに、「美味でありながらも堕落を招く食べ物の世界を探求した」という。没後500年を迎えたオランダの画家、ヒエロニムス・ボスの作品をヒントに、豊かさと退廃といった相反する要素のバランスを探った。パウダリーなカラーに濃密なオレンジを重ねて洗練されたビンテージ感を演出した柄、ダークな地色に淡いピンクをのせて豊かさにフレッシュな感覚を加えたものなど、色使いでも対比を見せている。
秋の実りを重厚に描いた「ダーク・アンド・デリシャス」、果物や草木をアールヌーボー様式に配した「ペッシュ・ヌーボー」、奇妙な形の果物をモチーフにしたモダンなアフリカプリント「アフリショート」など八つのストーリーで構成し、全30柄。「シンクロナイズド・ディナー」では、スタジオの床一面に果物や野菜、海産物を並べて花柄を作り、写真をそのままプリントにする試みが行われた。
メンズ向けのカプセルコレクション「ザ・ルミナリース」も発表した。鮮やかな野鳥がアクセントのボタニカル柄や繊細な小花を散りばめたカムフラージュ柄など、アーカイブから10柄を選んだ。メンズはアパレルメーカーから引き合いが増えており、伸び代の大きさを感じるという。