川西遼平が手掛ける「レシス」は3月30日、23年秋冬向けで初のショーを行った。新宿区歌舞伎町のホストクラブを会場にしたコレクションのテーマは「反理想主義の後の反理想主義」。娯楽やラグジュアリーグッズの消費など、混沌(こんとん)とした街中で繰り返される消費構造に疑問や反抗を提示するアプローチだ。シャンパンが置かれたテーブルとソファの間をランウェーに、無秩序で様々な要素をミックスしたレイヤードスタイルを見せた。
モヒカン頭でテーラードジャケットをラフに羽織り、パンツをビニールが絡みついたブーツにイン。前身頃がダブルのファスナーで開閉し、素肌をのぞかせるフーディー。ジャージーパンツはセンターにファスナーが入って、ちょっとセクシーなムード。派手なアクセサリーで首元を飾り、カラーペンキで汚れたブランドのショッパーを手にする男も登場する。
ベースは、スマートなパターンでゆったりめのフォルムにした川西らしいワードローブだ。軽やかなスタイリングとともに、人の個性をむき出していくレシスの主張を感じさせる。ショーが終わって戻ってきたモデルたちは、本物のホストだったという落ちでアフターパーティーとなった。
(須田渉美)