日本ランズエンド 今期メンズが過去最高収益見込む

2018/10/19 06:27 更新


 米カジュアルウェア「ランズエンド」を国内で通信販売する日本ランズエンドが好調だ。特にメンズが良く、今上期(18年2~7月)の売り上げは、前年同期比11%増となった。下期も勢いは継続しており、「今期(19年1月期)はメンズで過去最高収益となる見通し」(稲辺裕樹社長)。アウター、ジャケット、シャツが好調で、日本向けに修正を加えた独自企画が50~60代を中心に支持されている。

 メンズの売り上げはここ数年伸び続けている。前期も着実に増収し、プロパー販売比率は85.6%だった。伸びが加速したのは11年頃から。当時から日本独自企画による商品開発やマーケティング活動を強め始めた。

 米本社は冬の寒さが厳しいウィスコンシン州にある。そのため、米国でもアウターは人気だ。しかし、カタログ写真などのマーケティングが日本の市場、顧客と合致しないケースがあった。例えばアウター。アウトドアユースを意識し、雪山の中で撮影した写真が使われていた。そこで、カタログの一部を日本独自で企画・編集するようにした。都会的な街での着用を意識したビジュアル提案を増やし、訴求力を高めた。日本独自企画は、06年に「立体Xシャツ」の販売から始まった。日本人男性の体形を研究し、着心地や動きやすさに配慮したことが受け、人気定番商品となった。ここ数年は品番を拡充、現在は品揃え全体の35%を日本企画が占めるようになった。日本企画は、機能性と着心地を向上させながら商品単価も上げている。

ストレッチの利く快適な着心地ときちんとした見た目を両立した新作のスーツ

 日本企画でヒット品番も出ている。最近では、17年3月から販売を始めた「360アクション・チノ」パンツ(8900円)。縦横斜めに伸縮性のある快適なはき心地と見た目のきれいさが受け、年間1万本以上を販売した。

 今秋冬は日本独自企画で新たに、伸縮性のあるスーツや、オルメザーノ、ザニエリ、トレーニョ1900、ルイジボットなどイタリアの上質な生地を使用するジャケット・パンツを販売する。ジャケット2万9900円、パンツ1万3900円(ともにトレーニョ1900)など上質でも手頃な価格にした。

 昨年同様、10月上旬に都内で開催したメンズのフィッティングイベントも好評だった。今秋冬物を実際に試着・購入できるもので、その場で購入した商品は自宅に配送する。今年は期間を1日延ばし、5~8日に開催した。来場者数は1650人で、売り上げは前年開催時と比べ70%増だった。4割をテーラードジャケットが占めるなど引き続き好調で、ボトムの伸びも目立ったという。フィッティングイベントは今後、レディスでの実施や開催地の拡大を検討している。

稲辺裕樹日本ランズエンド社長


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