ライフスタイル向けECサイト「北欧、暮らしの道具店」などを運営するクラシコムは、今期から始めた年間10億円規模のマーケティング投資の効果が25年7月期第1四半期(24年8~10月)から表れ、売り上げ・各利益が期初予想を上回り、業績予想を上方修正した。上方修正後の通期連結売上高は82億円(前期比16.9%増)、営業利益7億6000万円(29.9%減)を想定している。
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第1四半期連結売上高は、18億9500万円(前年同期比7.7%増)。前期に子会社化したフーフーは減収となったが、主軸の北欧、暮らしの道具店の売り上げは、想定を超える12%増の18億5400万円と伸長した。販促コスト増によって、営業利益は1億2600万円(58.6%減)。
クラシコムは、27年7月期に連結売上高100億円規模(24年7月期実績70億1200万円)、EBITDAマージン(減価償却費の影響を除いた本業の収益力を測定する指標)約15.0%(16.4%)を目標とする中期成長戦略に向けてマーケティング投資を拡大している。これまで、継続客の購入や休眠客の復活は増え続けていた。一方、直近の1、2年で新規購入者の伸びが鈍化し、最大の懸念となっていた。このため、新規購入者の獲得を目的に、今期から3年間、年間約10億円の広告宣伝費をかけている。
今第1四半期では、投資により北欧、暮らしの道具店の購入者数が前年同期比11.7%増の9万9000人となった。特に新規会員数は13.4%増の約2万5000人と上場以来過去有数の規模となり、「年間での獲得数も過去最高水準を期待できる推移」(青木耕平社長)とする。
販促手法として、第1四半期は、アプリダウンロード訴求のオンライン広告と、認知拡大のためのマス広告として関西地方でのテレビCMを実施した。特に、効率化しながら月平均で前期比2.5倍のコストをかけたアプリダウンロード訴求が大きな成果を上げた。この結果を得て、今後の広告費の配分を精査する。
なお、北欧、暮らしの道具店でのアパレル売り上げは、第1四半期、足元の第2四半期の実績も「想定を大きく上回り、(残暑、暖冬などの影響も)全く懸念がない状態」としている。