クラレは現在の中期経営計画で事業部を超えた連携に力を入れる。これまで樹脂、フィルム、繊維など各事業が開発から販売まで完結して強みを発揮してきたが、一方で「他部署との連携が弱かった」(川原仁社長)。そこで22年1月に設けたイノベーションネットワーキングセンター(INC)が事業部横断の〝伴走者〟となり、新規テーマが次々生まれ始めた。
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事業部回り勧誘から
リアルの展示会開催が困難になったコロナ下、素材メーカーは工夫を凝らし、オンライン展を企画した。クラレも21年3月にオンラインのスポーツ&アウトドア展を開いたが、中身は他社と少し違っていた。クラレトレーディングが販売する原糸やテキスタイルなどのほか、靴のアッパー向けに人工皮革「クラリーノ」、ソール向けに自社独自のエラストマー(ゴム状の弾性体)を提案、既存の展示会にはない事業部横断型を試みたのだ。
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