オンデマンド生産システムの「コネクテッド」を提供するコネクトインターナショナル(東京、由羽弘明社長)は、アニメのキャラクターなどのIP(知的財産)をオンデマンド生産する事業を、電通と共同で始める。
IPグッズは、在庫のおそれから人気キャラクターしか製品化されないのが一般的だが、注文ごとの生産でリスクを回避、幅広い需要に応える。〝次世代型のグッズサービス〟を展望したECサイト「グッズラック」も5月21日にオープンした。コネクトが運営する。
様々なIPホルダーと関係が深くクリエイティブやプロモーションの面に優れる電通と組んだ。従来のグッズビジネスとは異なるロングテール(主力商品以外の売り上げが多い現象)の潜在市場を掘り起こす。ユーザーがキャラクターやデザインの組み合わせを自由に選べるサービスも組み込んでいる。
マイナーなキャラクターの製品化が可能なほか、需要予測が不要で、必要なタイミングですぐに商品化できる。名前や日付を入れたりレイアウトを選択したりと、購入体験の価値向上も見込める。残品は出ず、環境配慮にもつながる。
第1弾はネットフリックスで配信中のアニメ「ウルトラマン」ファイナルシリーズの公開に伴うTシャツ。劇中に登場するキャラクターを選び、カスタマイズTシャツが作れる。パターン数は2000億通り以上という。
コネクトは17年からカスタマイズ・オンデマンド生産に取り組んできた。主力サービスのコネクテッドは、既存ECにAPI(プログラム同士をつなぐインターフェイス)でつなぐシステムで、ユーザー企業はオペレーションを変えることなく受注できる。グッズ系の会社のほか、聖林公司(東京)などアパレル企業の導入も増えている。
初期費用やシステム使用料はなく、受注した商品価格に加工賃を上乗せして卸す仕組み。1月には東京都世田谷区に自社工場を新設した。