小松マテーレは防汚加工で汚れ落ちのスピードに着目した新素材「ダントツオチール」を開発した。撥油(はつゆ)部と親水部のバランスを最適化することで、従来のSR(ソイルリリース)加工と比べて3倍のスピードを実現した。洗濯の時間短縮や洗剤量削減に貢献する素材としてユニフォームやファッションに訴求する。
「防汚加工はこれまで耐久性や除去性能を追求してきたが、今回、スピードに着目して開発した」。油汚れに見立てたラー油を使った実験で、従来の防汚加工「リップガード」と比べて3倍の早さで汚れを落とす。
C6系撥水・撥油剤による撥油性で油汚れの付着を防ぎつつ、改質によって親水化した部分が汚れを落ちやすくする仕組み。これまでの防汚加工と同じメカニズムだが、親水基を増やし、撥油とのバランスを最適化することで汚れ除去スピードを高めた。また工業洗濯50回後も機能を維持する。
基布はポリエステル100%が基本。工場のすす・油に見立てたダイヤペーストを使った試験や、JIS(日本産業規格)の親油性汚染試験、重油といった各種油汚れに対しても効果を確認した。食品工場やサービス業、機械油を扱う現場など幅広いユニフォームに提案する。またファッション、スポーツ、寝装といった幅広い用途を狙い、専用下げ札も作成した。
生地販売で売上高は初年度1億円、3年後5億円が目標。
同社初のユニフォーム展を7月20日まで秋葉原で開催しており、ここで披露している。このほか、高強力素材「コーデュラ」を使った高撥水加工「ダントツ撥水」、製品染め「ガメダイ」、防水透湿「サイトス」などをアピールする。