小松マテーレは天然色素を使った合繊素材「オニベジ」の進化版として、このほど「ベジベジ」を開発した。植物由来の色素を使うだけでなく、植物の親水性成分の働きによる吸水拡散機能、キトサンによる抗菌防臭効果などを兼ね備える。
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14年に開発したオニベジは、ナイロン、ポリエステルといった従来は天然染料で染まらない素材を染色可能にした。タマネギの外皮に含まれるケルセチンという成分が架橋剤の役割を果たし、天然色素と化学染料を組み合わせて着色する。サステイナビリティー(持続可能性)も追い風に、ファッション衣料、バッグ、ユニフォームなどで展開してきた。
これを進化させたベジベジは、植物の〝色〟に加え、天然由来成分による機能性を持たせた。植物成分が持つ親水性成分の効果で、疎水性の合繊に対して吸水拡散機能を発揮。サーモグラフィーを使った水滴下試験で通常の2倍以上の拡散効果があった。
また、水分コントロール機能によって衣服内の湿度を適度に保つ。
水蒸気透過性が5%以上抑制され、乾燥する秋冬も衣服内の湿度低下を抑えられる。天然由来のキトサンを後加工で付与し、抗菌防臭機能も持ち、黄色ブドウ球菌で抗菌効果も確認した。
ファッション・カジュアルウェア、ユニフォーム、スポーツウェア、寝装寝具など幅広い用途に展開し、初年度販売1億円、3年後5億円を目指す。
