なんとDIY?! ベルリンの素敵なアパートメント(宮沢香奈)

2015/05/21 14:02 更新




ベルリンの街を歩いていると溜め息が出るほどステキな家を発見することが良くある。日本の昭和を感じさせる”団地”もあるのだが、それもまた街並に妙なマッチングをしていて良い。

家といってもそのほとんどがアパートメント(マンションとは呼ばない)であるが、中世のお屋敷を感じさせるヨーロッパならではの建物が大好きな私にとっては散歩しているだけでもわくわくする。

ドイツ建築の特徴はご存知の通り、とにかく大きくて重厚感がある。そして、多くの建物が第二次世界大戦前に建てられた”altbau(アルトバウ)”と呼ばれる古い建物をリノベーションしたものであり、現代にはない風情とオーラを持ち合わせている。

建物だけでも充分素晴らしいのだが、ドイツ人は何でも自分たちで作ってしまうDIY精神とインテリアセンス、レイアウトセンスが秀逸なのだ。さらには、物を大事にする国であるため、リサイクルセンスも持ち合わせてる。

これだけ揃っていれば、衣・食・住のうち”住”にプライオリティーを置く人が多いというのにも納得である。

 



 

あるメンズ雑誌で取材させてもらったドイツ人男性の自宅が、プロ顔負けのハイセンス!ハイクオリティー!ゴージャス!で心底驚いた。

家主であるハイコ氏はアプリケーションソフトを開発している会社のCEOであるが、中階段付の広々したロフト、リビングには暖炉、30人は呼べそうなバルコニーなど、もう見開きで密着取材させてもらいたいぐらいだった。

 

  

大工の友人と作った窓のサンは重厚でシックな色合いのウッドを使っており、出窓にもちょっとしたカウンターにもなる便利さ。

 

 

ソファーは、ルフトハンザのラウンジで使用していた1980年代前半のイタリアB&B社のもの。それがあっさり入ってしまうリビングの広さにも驚き。

 

  


一番溜め息が出たのは、一軒家が建てれそうなほど広々したバルコニー、というかほとんど庭である。眺めも最高に良く、ガーデニングもBBQもパーティーもやりたい放題。

日本とは物価も建築構造も法律も全然違うからこそ可能な部分はある。それに、ベルリンは今、急激な都市開発により、古い建物が次々と壊され、モダンなビルが続々と建てられている現象も否めない。文化遺産とともに古き良き物を大事にする美しい街が保持されることを願う。

Photo by Katsuhiko Sagai



宮沢香奈 セレクトショップのプレス、ブランドのディレクションなどの経験を経て、04年よりインディペンデントなPR事業をスタートさせる。 国内外のブランドプレスとクラブイベントや大型フェス、レーベルなどの音楽PR二本を軸にフリーランスとして奮闘中。 また、フリーライターとして、ファッションや音楽、アートなどカルチャーをメインとした執筆活動を行っている。 カルチャーwebマガジンQeticにて連載コラムを執筆するほか、取材や撮影時のインタビュアー、コーディネーターも担う。 近年では、ベルリンのローカル情報やアムステルダム最大級のダンスミュージックフェスADE2013の現地取材を行うなど、海外へと活動の場を広げている。12年に初めて行ったベルリンに運命的なものを感じ、14 年6月より移住。



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