米アウトドアフットウェアブランド「キーン」を輸入販売するキーン・ジャパンは、2本のコード(ひも)をループ状に編み上げて作るスニーカー「ユニーク」の製造ロボットを活用、プロモーションを始めた。今月からはビームス原宿店とビームスストリート梅田店で同ロボットを使ったオーダー受注・販売会を行う。
ロボットの名称は、「ユニークボット」。米アイダホ州のロボットエンジニアリングカンパニー、ハウス・オブ・デザインとともに、約2年かけてユニークボットのコンピュータープログラムを完成させた。これまで手作業だったユニークのインターロッキングシステム(2本のコードを編み込む作業)を、2台のアームロボットに代替させることに成功。シューズの製造時間を約半分に短縮、周辺の機器を含め1.5畳ほどのスペースに収まるため、場所を問わずに生産可能。店舗などで色や素材のカスタム化や製造実演もできるようになった。
太陽光発電で稼働しているため、「野外フェスなど屋外でのイベントにも持って行くことができる」(米キーンのアシュリー・ウィリアムス国際マーケティング本部ディレクター)という。
ユニークボットは現在、世界に2台のみで、うち1台が日本にある。日本の実店舗での初の販売イベントは、ビームスで行い、1日先着10人限定でカスタムオーダーを受ける。価格は1万4000円。今後はキーン直営店や取扱店などに設置していく。
◇
ユニークシリーズとユニークボットを手掛けたローリー・ファースト・ジュニアさんの話
僕自身はエンジニア。1足目のユニークができてからこれをロボットで作りたいと思っていた。ユニークは同じ編み込みパターンが繰り返されていて、正確に同じことができるロボットに適している作りだと思ったためだ。当初はコードの編み込みを1本のアームでするよう考えていたが、機械工学的に考慮すべきことが非常に多くなり、プログラムが複雑になることから、2本のアームを使うことにした。試作品は4つ作った。まだ改良の余地はある。今は開始から完成まで最短30分だが、これを20分以内にしたい。
「ユニークボット」と開発したローリー・ファースト・ジュニアさん