鹿島アントラーズがアパレルブランド 「フットボールを生活の一部に」 

2020/08/31 06:30 更新


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 プロサッカークラブの鹿島アントラーズを運営する鹿島アントラーズ・エフー・シーが8月、アパレルブランド「F.D.」を立ち上げた。クラブのエンブレムやロゴは使用せず、従来のユニフォームなどの応援グッズとは切り離したもので、珍しい取り組みだ。その狙いは、まずフットボールが生活の一部となるライフスタイルを提案し、次に試合開催を前提にしたグッズのMDからの脱却、そして最終的にはチームが勝利することだ。「大きな規模の事業ではないが、大きな挑戦になる」(春日洋平マーケティンググループコンシューマーチームマネージャー)という。

(藤川友樹)

 コンセプトは「日々の生活とフットボールの調和」。もともとアントラーズはユニフォームの購入率が高く、ロイヤルティーの高いサポーターに支えられており、日常でもアントラーズを感じられるものを身に着けたいという潜在ニーズがあった。ただし日本では応援するクラブのユニフォームなどを着用して直接的に表現する文化があまりないため、これまでのグッズとは異なるアプローチでクラブの哲学を表現することにした。

ライトファン獲得へ

 クラブの恒久的なスローガンである「Football Dream」の頭文字をとった「F.D.」のロゴを前面に出しつつも、生活に取り入れやすいベーシックなアイテムを揃えた。ユニセックスのオーバーサイズTシャツ(4950円)や、ボタンダウンシャツ(6600円)、トートバッグ(1430円)、シャワーサンダル(3300円)などがある。

 8月からクラブハウスにある公式ショップと新たに開設した専用ECで販売を始め、トートバッグは完売する人気に。Tシャツも200着以上売れている。購入客は20~40代の男女でサポーターが中心だが、ゆくゆくはF.D.を通じてブランドのコンセプトやクラブの哲学に共感する人を増やし、アントラーズのライトファン獲得につなげる狙いもある。

 コロナ禍でアントラーズが所属するJ1は試合が7月まで中断し、チケットはもちろん、ユニフォームなどの応援グッズの売れ行きが鈍化したこともアパレル開発に踏み切った一つの理由だ。試合開催の有無に影響されない新たなMDを確保するという役割も担う。そして最終的な目的は「勝利のため」。16年、18年のクラブワールドカップでスペインの強豪レアルマドリードと対戦するも敗れ、世界とのレベルの差を痛感。「世界のトップを目指すチーム作り」に向けて積極的に選手を補強するためには、少しでも収益源を増やす必要があるからだ。

メルカリが後押し

 鹿島アントラーズ・エフー・シーは19年にメルカリの子会社になっている。メルカリは今回のアパレルブランド開発を主導していないが、意思決定やデザインの面では背中を押した。

 もともとはアントラーズがスタッフの一体感を高めるためにスタッフ用パーカを作成し、その画像を小泉文明メルカリ取締役会長兼鹿島アントラーズ・エフ・シー社長がSNSで投稿したところ、大きな反響があった。その後5月にクラブの経営陣とサポーターがオンラインイベントなどで意見交換するなかでも「普段使いできるアパレルが求められているという確信を得られた」ため、一気にブランドの開発に踏みきった。

 デザイン面では、F.D.のロゴはメルカリで創業時からプロダクトやコンテンツ制作に携わってきたデザイナーがプロジェクトチームに加わって制作した。サッカーの国際基準のピッチサイズ(105×68メートル)と同じ比率のロゴになっており、一つひとつのデザインにしっかり意味を持たせるというメルカリ精神も注入されている。

ベーシックなアイテムを揃える ©KASHIMA ANTLERS
春日マネージャー

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