ニューヨークのホイットニー美術館で、ファッションブランドのエクハウスラッタと組んだ新趣向の展覧会「エクハウスラッタ・ポゼスト」が始まった。会期は10月8日まで。この展覧会は1階で開催されていて、美術館への入場料を払わなくても見ることができる。そして、スーザン・チャンチオロなど過去にコラボした他のデザイナーの作品以外は、値札がついている。
エクハウスラッタのソロ展覧会自体初めてだが、ホイットニー美術館がこうした手法の展覧会をするのも初めてだ。同美術館のキュレーターたちが「エクハウスラッタのファッションとアートのハイブリッドが面白い。小売店の売り場のような環境で見せたい」と、エクハウスラッタを招待したという。展覧会場には、試着室も用意されている。
入り口には、過去の広告写真が並ぶ。エクハウスラッタは2011年にスタートしたブランドで、デザイナーはニューヨークベースのマイク・エクハウスと、カリフォルニア州サンタクルスベースのゾーイ・ラッタ。素材使いの面白さで知られる。ニューヨークファッションウイーク中はここ2シーズン、ブルックリンのブッシュウィックでショーで見せ、多様性に富んだ体型や顔立ちのモデルを起用することでも注目された。エクハウスラッタは、2018年のLVMHの若手ファッションデザイナーの最終選考にも選ばれている。
ちなみに値段は、ジーンズ290ドル(美術館の会員価格261ドル)、プリントのドレス450ドル(同337ドル50セント)、Tシャツ60ドル(同54ドル)などは比較的普通の値段だが、1点物になると、売る気があるのだろうかという値段だ。たとえば、可愛い犬がプリントされたスウェットシャツは120ドル(同108ドル)だが、プラスチックバッグを編んでつくったスカートは3500ドル(同3150ドル)!
一見スカートにみえるこちらはニットのトップスで、3250ドル(同2925ドル)。
ビーズをつなげたこのトップス、右側しか値札が見れなかったが、7500ドル(同6480ドル)!かなりコアなファンでも買える人は限られていると思われるが、量産したコマーシャルな商品と、アート作品のような1点物の違いを値段に反映させたということなのだろう。展示会場の一角には、防犯カメラのモニターをいくつも設置して売り場の様子を見ることができる部屋といった、ウイットを効かせた演出もある。
89年秋以来、繊研新聞ニューヨーク通信員としてファッション、ファッションビジネス、小売ビジネスについて執筆してきました。2013 年春に始めたダイエットで20代の頃の体重に落とし、美容食の研究も開始。でも知的好奇心が邪魔をして(!?)つい夜更かししてしまい、美肌効果のほどはビミョウ。そんな私の食指が動いたネタを、ランダムに紹介していきます。また、美容食の研究も始めました(ブログはこちらからどうぞ)