「ジュン・アシダ」は23年春夏コレクションをランウェーショーで発表した。ランウェーで見せるのは6年半ぶり。この間はスペシャルムービーやデジタル技術を駆使した発表にも挑んできたが、フィジカルのショーには今、復活以上の新しい一歩も感じる。故芦田淳さんと親交があったピアニスト、清塚信也さんの演奏から始まり、清塚さんが芦田さんとの思い出をユーモアを交えながら語った。
コレクションは、自由に出かけられるようになった空気をまとうようなリラックスしたラインだ。改まった席というより羽を伸ばすイメージのドレスが目立つ。赤とネービーと白のストライプのカシュクールドレス、クラフトタッチのラインを入れたふんわりシルエットのロングドレスに少しペザント風のペーズリーのドレスなどがあり、それを着たシーンを想像するのが楽しい。タウンのジャケットスタイルもドロップショルダーのツイードジャケットとワイドパンツ、ボタニカル柄のテーラードジャケットとショーツなど、休日を思わせる。シアーなプリント、ライトなシルバーとゴールドの組み合わせなど様々な表情の素材も魅力。イブニングドレスもシンプルな黒からまぶしい光沢、アシンメトリーなど多彩に揃えた。
(赤間りか、写真=加茂ヒロユキ)