ジュンは、自社ブランドで構成するアトレ恵比寿西館3階のフロアを改装した。「ロペ」「アダム・エ・ロペ」に加え、新たに「サロン・アダム・エ・ロペ」とレストラン「サロン・ベイク・アンド・ティー」が出店。主要ブランドが一堂に揃う国内唯一のフロアとなった。個々のブランドの集結ではなく、フロアコンセプトを設けた統一感のある世界で買い回りを促すのが狙い。今後、同様のモデルを増やしていく考えだ。
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同フロアは16年、西館がオープンする際にジュンが初めてプロデュースした。来年の10周年を目前に、「再度新しい表現に挑戦したいと考えた」と原誠常務取締役上級執行役員、ブランドイノベーション事業本部、リテイル推進本部は話す。
改装のキーワードは、デビューから57年となるロペに通じる伝統と革新。ブランド名の由来となった南仏サントロペをイメージし、ロペはサントロペにあるホテルのロビー、アダムはアートギャラリー、サロンは家、ベイクはサードプレイスに着想した。フロア全体でサントロペの街を巡るようなイメージだ。


内装はそれぞれ異なるが、アパレル3店の外装にはブランド名を記した共通のモニュメントを配置。さりげなく統一感を出すことで、全てがジュンブランドであると一目でわかるようにした。前面の壁も極力取り払い、開放的なムードで買い回りを誘う。

各店にレジは設置してあるものの、未会計のまま店を横断して買い回りし、1カ所でまとめて支払いもできる。3店のショップスタイリストには全ての店にある商品を接客できるよう、別途研修も実施した。「一度接客した者が全ての店を案内し、クロージングまで担当する」という。
フロア全体で上質感を高め、洗練された雰囲気へとアップデートしたことに伴い、各店のインポートの構成比も現在の約30%から35%まで引き上げる方針。インポートへの反応が良い恵比寿の市場に合わせたものだ。イベントや期間限定店の計画はフロアで共有し、3店のいずれかの店で常に何かしらのイベントが行われるようにする。
「これまで買い回りが少なく、『このブランドもジュンなんだ』と言われることが多いのを課題と感じていた。このフロアを隅々まで見ていただき、各ブランドの特徴をそれぞれの顧客に発見してもらいたい」と原常務。恵比寿を皮切りに、同様のモデルを増やしていく予定。複合店の開発も視野に入れる。
