JUKIとYKKは24日、ファスナー縫製設備とファスナーの開発・製造技術を融合し、両社の共通の取引先である縫製工場の課題を解決するソリューションを共同開発するという契約を結んだ。17年度中には、ファスナーの縫製工程を自動化、簡易化できる縫製機を完成させ、取引先へ提供する計画だ。
共同開発の主な内容は2点。一つは、ファスナーを取り付ける縫製機(ファスナー縫製機)を共同開発し、「新しいビジネスモデルの創出により、新たな価値を市場に提供する」(両社)こと。アパレル、非アパレルを問わず、ファスナーの取り付けはミシンによる縫製が主流だが、「ファスナーを縫製する工程はオペレーターの技能と時間を要する難工程の一つ」。このため両社で協力し、同工程を自動化、簡易化できるファスナー縫製機の開発と、ファスナー自体の改良に取り組み、生産性の大幅な向上と熟練工の技能に依存しない生産を実現する。
もう一つは、両社のシナジーを発揮し、共通の取引先への提案力を向上すること。世界の縫製工場の現場を知るJUKIと、多くのブランドホルダーと取引きのあるYKKが連携して提案力を強め、「より広範囲で深く、取引先の課題解決に取り組む」という。
JUKIによると、既に両社の技術開発陣でプロジェクトチームを組織しており、ニーズの調査および縫製機の開発コンセプトの検討など、議論が本格的に始まるという。