今年1月の総会で日本繊維産業連盟の会長に就いた日覺昭廣氏(東レ代表取締役会長)に繊維産業の現状と課題、抱負を聞いた。
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価格をあるべき姿に
日本の繊維産業は、産地もしっかりしていて、各製造工程での長きにわたる努力、工夫の積み重ねで、高品質で機能性を備えた素材を生産、ハイエンド、世界のトップクラスの高級ブランドに認められています。ところが、この良いものが、国内では高く売れないことが問題だと感じています。
日本人には「安くて良いものを」という意識や文化があります。この考えは世界全体が成長、発展する中では世界を席巻してきましたが、世界で中間所得層が増えて豊かになった今となっては、日本だけが価格が上がらない状況になっている。