JR西日本SC開発 タイの大手ディベロッパー、ザ・モールグループと包括業務提携 コンサルティング事業を開始

2021/10/29 14:30 更新


 JR西日本SC開発は、タイの大手ディベロッパーであるザ・モールグループと包括的業務提携契約を10月に締結した。モールグループが手掛ける現地商業施設への日本のテナント情報の提供や商談サポートなどの「テナント紹介コンサルティング」が提携の柱。今回の提携を機に、国内外のコンサルティング事業の展開も視野に入れている。

 モールグループは79年創業のタイで2番目の規模の小売り・商業施設運営会社でバンコク主要地区で「サイアム・パラゴン」など13施設を運営している。バンコクBTS(モノレール)・プロンポン駅前では、97年開業の「エンポリアム」(延べ床面積約20万平方メートル)、15年開業の「エムクオティエ」(同約25万平方㍍)の既存施設に、約250億円を投じて23年秋に開業予定の「エムスフィア」(約25万平方メートル)を加えた「エム・ディストリクト計画」を推進している。

 今回の業務提携は、エムスフィアの新規開業を軸に既存施設を含めた継続的なテナントリーシングに関するコンサルティング事業となる。すでに食関連を中心にタイに進出している日本企業は多いが、施設間競合が強まっている中で、富裕層などを対象にした「感度の高いMD」の構築を目指していることが提携の背景にある。

 JR西日本SC開発は、ルクア大阪、天王寺ミオの直営SCのほか、JR西日本グループのSC10社を束ねる事業持ち株会社として、グループSCの経営指導やコンサルティングにも取り組んでいる。今回の提携は、グループ内で実践していることの“外販”の考え方だ。「実際にビジネスしていることが強み」(山口正人社長)とみている。また、既存テナントだけでなく新規取引先を含めた海外出店サポートともなるため、「コンサルティング業務を通じて、より幅広くテナントの方々と繋がれるメリットもある」とのことだ。今後、他の海外施設やグループSCと競合しない国内エリアの施設を対象とするコンサルティング事業も可能とみている。



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