JR東日本青森商業開発 直営商業施設が堅調、国内外の観光客つかむ

2023/09/05 06:25 更新


売り上げ、利益とも過去最高となった「エーファクトリー」

 JR東日本青森商業開発(紺野洋紀社長)は観光客の回復によって青森駅ビル「ラビナ」、直営の複合施設「エーファクトリー」とも堅調だ。特にエーファクトリーは昨年度、売り上げ、利益とも過去最高を記録した。来年春にはラビナの隣に新駅ビルがオープンし、商業エリアも拡大する。

 エーファクトリーは10年12月にオープンした青森県産の食材・土産品などが楽しめる飲食・物販ショップやシードル工房から構成される複合商業施設。青森駅前のウォーターフロントエリアに立地し、イベントが開催しやすいスペースもあり、観光客が気軽に立ち寄れる場になっている。昨年度に続き今年の春夏も好調が続き、コロナ前と比較しても50%増と伸びている。免税売り上げは半分を占める。「毎年200万人以上が来場していた夏のねぶた祭りが4年ぶりに復活するとともに、県内観光地のインバウンド(訪日外国人)需要も高まっていることで今後も期待できる」という。

 同社は単なる不動産賃貸事業ではなく、青森県産リンゴをシードルジュースに加工するなどPB商品の開発まで担い、直営の商業施設で販売するのが強みになっている。また、地元企業との連携にも力を入れており、青森市の中心街にあるセレクトショップ「サークルアオモリ」が土産品として企画したオリジナルグラフィックをプリントしたTシャツを仕入れて販売し好評だ。

 既存駅ビルのラビナも観光客が急増したことで売り上げは前年を上回っている。特に食物販は好調で、ドラッグストアはインバウンド需要が目立つ。アパレル・ファッション分野は前年並みだ。約6000平方メートルの商業エリアは空きテナントが1件だけとコロナ禍でも順調だ。来春予定の新駅ビルには地上3層の約4000平方メートルの商業エリアが加わる。上層階にはホテルになる予定。商業エリアでは、飲食やファッションなど地元客に必要なリーシングも進行中だ。



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