責任ある外国人労働者受け入れプラットフォーム 相談・救済パイロット事業開始

2022/05/25 06:27 更新


 責任ある外国人労働者受け入れプラットフォーム(JP-MIRAI)は5月23日、「外国人労働者相談・救済パイロット事業」を開始した。

 同事業は情報提供から多言語相談、窓口、独立性・中立性の高い紛争解決までの一貫したメカニズムと人権リスク情報の企業へのフィードバックをパッケージ化しており、「日本初の取り組み」と強調する。

 具体的な事業内容は、参加する企業と参加企業の関連企業の外国人労働者を対象に、①日本で就労するにあたり有用な情報提供を行うポータルサイトの開設(6月にアプリ化予定)②母国語を使えることで心理的なハードルが下がる相談窓口(9言語対応)の開設③自力で解決が難しい問題に対処する伴走支援、④雇用者と紛争となった場合のADR(裁判外の紛争解決手続き)利用の四つ。これらの活動を通じて、外国人労働者が抱える問題や不満の早期解消を目指すとともに、問題が発生した際には、外国人労働者に寄り添い、中立的な立場から問題解決を目指す。

 同時に、ポータルサイトで収集した外国人労働者の生の声や相談窓口の利用記録などのデータを個人情報と切り離し、外国人労働者の抱える課題を分析して参加企業へ人権侵害のリスク情報をフィードバックする。参加企業と関連企業のサプライチェーン管理、人権デューデリジェンス強化に向けた取り組みを支援する。

 今回のパイロット事業は、昨年JP-MIRAIが主催した「相談救済研究会」において、JP-MIRAIの事務局が会員企業との議論を重ねて、制度・枠組みを検討してきた。ビジネスと人権指導原則に沿った人権デューデリジェンスや救済メカニズム構築に関する議論を踏まえて、専門家や東京弁護士会等の助言・協力も得ている。

 参加企業は味の素、セブン&アイ・ホールディングス、トヨタ自動車、三井不動産、良品計画など計8社。パイロット事業開始後も、引き続き参加企業を募り、より多くの事例を積み重ねていく。さらに、諮問委員会や関係者からの助言に基づき、メカニズムの改善を続け、来年度以降の本格的な事業実施に結び付けていく計画だ。



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