【記者の目】キャロットカンパニーの挑戦から考える 商品開発は理念が不可欠

2024/04/01 12:30 更新有料会員限定


 近年、夏が長くなる傾向にあり、従来の季節MDが通用しなくなっている。気候変動への対応として、春夏物の比重を増やす企業も増えた。バッグメーカーのキャロットカンパニーはMDの見直しにとどまらず、環境変化で生まれる新たなニーズに着目し、異なる分野の商品開発を進めてきた。22年2月に販売を始めた晴雨兼用傘「アントゥーレ」は、早くも厚い支持を集めている。

【関連記事】キャロットカンパニーのバッグ「アネロ」 24年春夏に新たに5シリーズ

使命は外出を楽しく

 キャロットカンパニーは日本国内だけでなく、アジア、北米でも大ヒットしたバッグ「アネロ」で知られる。特徴的なフォルムのアネロのリュックを訪日旅行者が持つ姿も珍しくない。

 通常、日傘の価格帯は3000~6000円あたりだが、アントゥーレは1万~1万5000円と高額だ。それにもかかわらず、初年度に生産した6400本を完売し、23年は前年の約2.5倍の1万5000本を売り上げた。

 21年にワールドパーティーのレイングッズブランド「Wpc.」と協業し、傘地を使用した撥水(はっすい)バッグを販売したことはあるが、傘の生産や物流のノウハウは全くなかった。

この記事は有料会員限定記事です。繊研電子版をご契約すると続きを読むことができます。

ログイン契約して読む

会員の方はこちらからログイン

関連キーワード電子版購読者限定記者の目



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事